InstagramやTwitterでこの本が発売された事を知り、Amazonで注文したら翌日(日曜日)届きました。
資料が凄いです。力作ですね!筆者の記述にもあるんですが、仮説と推論が多い本になってしまったのは仕方のない事だと思います。タイムマシンで戻らないと分からない事が多いのが、リーバイスの数多ある都市伝説っぽいところで、それがまたリーバイスの『いとをかし』所以です。
著者が執筆するにあたり参考にされた3冊の本の中で、1981年に翻訳版が出版された『リーバイス エド・クレイ著』を私は所有していますので、リーバイス社の歴史は少しは分かっていました。
なので歴史的な逸話は、どうしても気になっていたところだけを搔い摘んで読みました。以下は私のざっと読んだ気になる項目です。
501品番は、なぜつけられたのか?
リーバイス501を語る上で最大の闇です。この件に関しては仮説妄想だらけの都市伝説です。筆者も仮説で対応するしかない状況。200番台(廉価版)より大きな番号でXX生地仕様に附番したのでは…と仮説を。
私の仮説(妄想)は、メイデー5月1日説です。労働者の為のメイデーが1890年に始まりました。リーバイスのカバーオール(ジーンズ)は労働者用作業着が出自なので、メイデーを記念して日付5月1日から『501』と附番したという仮説です。
大戦モデルは13.5オンスでは無い…
長年信じてきた大戦モデル都市伝説、これは怪しいようです。学生時代からのすり込みに『XXは13オンス』というのがありまして… ヴィンテージ回帰して知った知識が『リーバイスは大戦中の物資統制下でもデニムの品質を落とさず、逆に品質を上げてブランドを守った』と感心していたのですが… ちょっとショック!
大戦モデルに関しては、貴重な資料を基に詳細に解説されていますので、大戦モデルフリークは是非読んでみてください。読むと、また大戦モデルが欲しい病になりますよ!(47モデルの記述は…)
大戦モデルの他社の事例で、BIGYANK のシャツの話も出ています。山ポケ好きも注目です!
紙パッチ A S F の謎
XX表記が終了して、BIGE初期物の紙パッチに見られるんですが、これも仮説が跋扈しています。筆者は、トップボタン裏刻印とA S Fの関係を調べてあげています。そこから出てきた仮説なら真説かもしれません。
A S Fの刻印は、トップボタン裏【2.4.5.6.8.14.E.J】に見られるようで、実は【W】が入っていない事に驚いています。というのも、学生時代にデッドストックで購入した501XX(最終期 隠しリベット無し)のボタン裏が【W】でした。2年前に501BIGE初期物(紙パッチ無し)を購入したのですが、これが偶然にも【W】だったのです。(写真参照)
隠しリベットの無い最終期XXは、パッチが無いとXXとは認定できません。しかし、この本でA S Fの刻印はトップボタン裏【W】のジーンズには見当たらないのであれば、【W】刻印はXX最終期物であると推定できるかもしれません。
赤タブBIGEは、1974、75年生産品にも存在する!
66モデル(トップボタン裏6)には、赤タブBIGEが存在するのは確かですが、70年初頭までだと考えていました。確かに66モデル前期物の中には、ベルトループなどに古いパーツを使っているモノが見られます。私の66モデルにも黄色綿糸のベルトループが一か所あります。なのでBIGEの赤タブが工場に在庫として残っていたならば使っていたでしょう。
筆者のコレクター目線での私的研究の章だけでも読む価値がある本だと思います。歴史に関してはじっくり腰を据えて読まないと難しいですが、私的研究の章はスラスラ入ってきますので!
リーバイス社の協力は一切無く、オールジャパンで作りあげた本です。リーバイスフリークならば、その尽力に報いるためにも蔵書として所有すべき一冊だと思います。Amazonなら翌日到着するよ!
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