私はダメージ加工のジーンズが嫌いです。そんなジーンズを穿いてる人を見ると残念な感じがします。職人の魂が込められたダメージ加工もあるにはありますが。
断っておきますが、ダメージ加工品とユーズド品とは別物です。ユーズド品は完成品として評価します。穿き込まれて味が出た芸術品としての評価で良いと思いますし、私も好んで購入します。ただ心底相棒かと云うとそこは微妙です…
ジーンズは、リジットもしくはワンウオッシュかツーウオッシュ位の、これから自分色に染められる奴を相棒として育てる事に醍醐味があると思います。
2016年秋、原宿VOSTOKにて運命の出逢いをしました。Levi’s501の66モデル前期物のマイサイズ(レングスは若干長いです)のワンウオッシュです。一度はスルーしたのですが、再来店したらまだあった!これは運命だと思い購入を決意、ミントコンディションですから高額です。日本デニムが3本買える位、でも水を通しただけでデッドストックの半値です。だからヴィンテージジーンズのワンウオッシュ品は絶好の買い得品とも云えるのです。
これまでは極力洗わない主義でジーンズを育ててきましたが、股部が破れる事が多く、汗はジーンズの大敵だったと反省し、夏場だけは積極的に洗うと長期的な育成方針を決定。ただ秋の購入だったので、まずは一度実行してみたかった糊付けに挑戦してみました。
糊付けして、ヒゲやハチノスを濃淡つけて表現させる為のテクニックですが、その方法は、
- 水洗いして洗濯機で脱水する
- ジーンズを裏返して皺を整える
- 洗濯糊をジーンズ全体に手で塗る(風呂場が良いです。股部は塗らないように、擦れて怪我をするので)
- 裏返しのまま穿けるような形で陰干しする
- 乾いたら完成
噂の通りに立ちました!ラッキーだったのは秋から冬場にかけてのプロジェクトだったので、冬の寒い時期の防風対策にもなりましたね。なので夏場の糊付けはジーンズの中が蒸れるので止めた方がよろしいです。
洗いは基本的に風呂の残り湯で手もみ洗いです。穿いて入浴も楽しいです。リーバイスの大昔のCMにもそんなシーンがあったと記憶しています。私の場合、汗汚れだけなので水洗いで十分なのですが、作業等でジーンズが汚れてしまう方は洗剤を使って洗って下さい。天然成分由来の洗剤で。蛍光剤など入っていると色落ちに支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。
ジーンズを日干しする場合は、裏返して吊るべきです。内側の雑菌を日光消毒するのも理由ですが、デニムも日焼けしますから、まだ色濃いうちは注意するべきです。
育ててきておおよそ1年半になりました。まずまず順調に育ってくれたと思います。しかし、501の66モデルは実際のところ濃淡激しく色落ちするジーンズではありません。66前期モデルまでが美しく縦落ちすると云いますが、こだわり日本デニムや、501XXなどの色落ちを基準に考えると、全くの別物であると言わざるを得ません。雑誌の記事だと記憶していますが、リゾルトの林氏が理想に掲げるジーンズが66モデルだと仰ってました。リゾルトジーンズのあの色落ちを連想していただければ、66モデルの色落ちを想像していただけるかと思います。
とは言え、ワンウオッシュの段階から育ててきた相棒は、やっぱりかけがえのない相棒になりました。革靴にも言える事ですが、天然素材100%の製品をヘビーローテーションするのは酷だと思います。休みをとらせながら長い間現役で頑張ってもらうのが理想です。これからは、急かさずにじっくりゆっくり育ててゆこうと思います。
ダメージ加工のジーンズは、ファッションパンツとしての需要があるとは思います。だけど、アメカジフリークには絶対穿いて欲しくないですね。アメカジにとってジーンズはマストハブな存在、持ち主の魂が込められていない加工品を穿いてるようでは、アメカジ原理主義者とは言えません! 失礼しました… 宗教ではありませんので 笑
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